ミハリナ・オルシャンスカ主演「マチルダ 禁断の恋」を見てきました

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ポーランド愛伝道師のポラ子です。

ブログでも紹介した「マチルダ 禁断の恋」を新宿武蔵野館で鑑賞してきました。最近は名画座ばかり行ってて、武蔵野館はどれくらいぶりでしょうか?
記憶がないくらいです。

随分変わってました。週刊誌や月刊誌、新聞に掲載された記事のパネルがありました。もちろんキネマ旬報も。

 ニコライ二世はロシア正教では聖人とされるそうなので、かなりロシアでは問題になったようです。ただ、それが逆に話題にもなりヒットしたみたいですね。

なかなか決められないニキ

帝位と運命から逃れられないと理解しつつも、マチルダと会っている時だけ自由な気持ち、自分自身でいられると感じているニキ(ニコライ二世)。それが故に、もう決断しようよ〜と思うタイミングでも「まだ諦めていない」だの甘い言葉を言ってしまいます。宿命は変えられないけど、運命は変えられると思うのだけれど、優しいニキには無理でしょう。
「みんなに優しいということは、みんなに冷たいのと一緒」と何かで読んだことあるのですが、まさに二人に優しいニキは二人に冷たいのでした。

 

なかなか腹を決められないのは、多分父親がマチルダを気に入っていることもあったでしょう。

印象的だったのは、ニキの両親(アレクサンドル3世マリア・フョードロヴナ)のそれぞれの結婚生活に対する認識です。捉え方が違っていて興味深かったです。

同じ時を過ごしても認識が違う二人

皇帝である父親とマチルダが宮殿で会うシーンがあります。その時にマチルダに好意的な事「ニコライ二世は見た目は大人だが、まだ子供だ。よろしく頼む」といったような内容を言います。

別のシーンでは戴冠式の段取りをしている時に、母親の皇太后と皇后(まだ皇太后と皇后ではないかもしれませんが面倒なのでこう表記)のアリックスが冠をめぐって譲らないため、ニキが嫌になり、その場を離れます。
その後を追った皇太后が自分の結婚の時のことを話します。

結婚間近に亡くなったことで婚約者の弟であるアレクサンドル三世と結婚したと。そんな結婚でも
「それで私が幸せでなかったと思う?」とニキに語りかけます。

女性は守ろうとする気質がもともとあるからか、また当時の王室の経済状況などの現実を受け入れたからか、本人が幸せになる努力があったからか、幸せな結婚だと息子に語る母親。

しかし、マチルダと会った皇帝の発言からすると、もしかしたら別の人生を生きたかったと思っているのかもしれないな、と感じたのです。自分にできなかった愛に生きて欲しい、と皇帝は息子にメッセージを送ったのかもしれないなと。

同じ時を経ても、夫と妻でその結婚生活への思いが違うことのむごさと、人生の重みを感じました。ま、バレリーナとは結婚して欲しくない皇太后としては、本音を話したとは限りませんけれど。

映画の中でニキとマチルダのことより、そのことが印象に残りました。

印象に残ったシーン

宮殿を駆け抜けるニキとマチルダ。後半に同じシチュエーションでアリックス(婚約者)と駆け抜けるシーンがあるのですが、やっとニキが運命を受け入れる気持ちになったのに、と見てて切なくなりました。

後は予告では全然わからなかった登場人物もいて(今みるとわかる)スリリングさも加えられていました。

宮殿や劇場の豪華さはもちろん、衣裳は7000着だそうです。こちらも華やか。

主演のミハリナ・オルシャンスカの意思の強さを感じる、射るような目に引き込まれました。

駄文ですが、印象に残ったことを記録します。

 

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