着物とポーランド愛伝道師のポラ子です。
今日は恵比寿でヘッドスパのようなものを予約していたのですが、なんと先方のミスで予約が取れていませんでした。
残念でしたが、ここは恵比寿!!!
そうだ、まだ見てないポーランド女性作家による「しなやかな闘い」を見る絶好のチャンス!
ポラ子持ってる〜!
よくぞ恵比寿にした、ラッキー! と気分を切り替えて見てきました。
『しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像』展、東京都写真美術館で開催
- 会期:2019年8月14日(水)~10月14日(月・祝)
- 休館日:毎週月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合は開館、翌平日休館)
- 料金:一般 500
500円ですがMIカードを持っていたので400円でした。
またしてもラッキー!
展示会場に入ると、いくつもの映像が同時に流れています。
1本1本をじっくり見るもよし、ぐるぐると見てもよし。
ピンときたのだけでもよし。
ズザンナ・ヤニン「闘い」
私が気になったのはこの映像でした。※これは撮影可の展示です。
男性と女性が戦っています。
男性に何を投影し、女性は何と闘っているのでしょうか?
社会? 偏見? 見たままの男性?
もしくはジェンダーそのものを問うているのか?
ネットで見たある画像を思い出しました。
それがこの「平等」と「公正」の大きな違いが1秒で納得できる画像
です。
男性と女性はもちろん違います。何がどう違うかを理解してからでないと公正にはなりませんね。
いきなり違いも認識しないで、平等な条件で男性と同じリングにあげられること、その事自体を表現しているのでしょうか?
とても考えさせられました。
ボグナ・ブルスカ「グルンヴァルドの戦い」
あと面白かった映像があるのですが、それは撮影禁止でした〜。残念。
頑張って説明してみますね。
大河ドラマのようなポーランド版時代劇の合戦映像(グルンヴァルドの戦いというポーランドが大国になるきっかけとなる戦い)と、それのゲームのようなCG映像、同じモチーフでレゴのようなブロックで表現した映像を、音楽でいうリミックスしたような映像でした。
映像と同様に、大河に相応しい荘厳な音楽と、デスメタル調の曲と音楽も切り替わり、とても面白いです。
大河のような映像=真面目に歴史を捉える目線
ゲームの様なCG映像=少し客観視した感じであり、視野が狭くなったような特殊な視線で捉える印象
レゴブロックのような映像=風刺を効かせたような印象。宇宙から見たらこんな感じかも。
とそれぞれの視線からポラ子は以上のような印象を持ちました。
ポーランド人にとって愛国心を高揚させ、アイデンティティーともなる戦いなのだと思うのですが、それをあえて様々な映像を繋ぎ合わせることに、作者のメッセージを感じました。
ヴェロニカ・ヴィソツカ「すべての問題の果て」
あとはこんな映像も。※これは撮影可の展示です。
ゴミの山?と思ったら全て洋服です。
断捨離する時に、これはいくらで買ったものだ、とか思うと捨てたくなくなりますよね。
捨てるものも元は買ったもの。
つまりお店に並んでいるものもゴミ予備軍なんだよな〜と。極論ですけどね。
お店にあるか、自分の部屋にあるか、ゴミ処理場にあるか。
商品とゴミって紙一重なんだよな〜と。こんな事をぼんやり思うことがあるのです。
これを見て、またぼんやり考えました。これらも元は店頭に並んでたんですものね。
大量消費、リサイクル、断捨離、ファストファッション、フェアトレード
などいろいろな言葉が脳裏をよぎりました。
ヤン・ショスタク「ミス・ポーランド」
これは例え少しでもポラ語をやっていてよかったと思う展示でした。
ラスト近くが興味深かったです。それは映像作家さん自身が奨学金を取得した時のシーンです。
授与する方のスピーチに対し、女性形を使ってくださいと、この映像作家さんが言うんですね。さらに式典が終わった後に、
会場の人々に向かって言うんです。
- Artystką(アルティストコン:これは女性のアーティストを指す)
- ○○ką ちょっとメモできてなくてごめんなさい
- ○○ką
ポーランドでは職業には女性形があるんですね。まあ無いものもありますが、無いということは女性がその分野に進出していないということになり、わざわざ言葉を作ることもあるようなんです(この辺はポラ子の聞き齧りの浅知恵なので自分の言葉として自信を持っては書けません。ごめんなさい。そうらしいくらいでお読みください)。
なので、ラストで女性形を使って呼びかけることに、この作家さんのメッセージを強く感じました。
以上、ポラ子の印象に残った展示でした。
見る方によってそれぞれ違うと思うので、同感なのか、そうじゃないでしょ? なのか、是非確かめに行ってみてくださいね。
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